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ミチルのブログ

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件名: A piece of me
日時: 2024/02/21-09:17

私はスピッツの草野マサムネさんがDJをやっている『ロック大陸漫遊記』というラジオ番組を毎週日曜日に聞いているのですが、この間の18日の放送の中で懐かしい曲を聞きました。
1985年に大ヒットとなったポール・ヤングの "Every time you go away" という曲です。
これは元々1980年にダリル・ホールアンドジョン・オーツがリリースした同名曲のカバーだったのですが、本家よりもヒットしました。(私はダリル・ホールバージョンの方が好みですが。)
今回、久しぶりにこの曲の歌詞を聞いて、少しおやっと思うところがありました。

"Every time you go away
You take a piece of me with you"
(君が僕の元を去る時は必ず、僕の一部を持っていってしまう)

この a piece of me という言い方は他の曲でも似たような言い回しがあって、ジャズスタンダード曲の『オールオブミー』の中でも、

You took the part that once was my heart,
So why not take all of me?
(あなたは私の心の一部を持っていってしまった
それなら私のすべてを持っていってよ)

このわたし(の心)の一部( a piece of me )という言い回しは、何とも英語特有の言い回しだなーとこの表現に遭遇する度に深く感じ入ります。
是非歌詞を味わいながら、↓曲の方聞いてみてください。

Paul Young "Every time you go away" → https://www.youtube.com/watch?v=nfk6sCzRTbM
Joe Williams "All of me" → https://www.youtube.com/watch?v=_6NEGeLHbaI


件名: Maybe Man
日時: 2023/11/13-14:20

米の兄弟トリオバンドAJRの新譜が先日リリースされました。
タイトルトラックにもなっている "Maybe Man" について今回は少し取り上げさせてもらおうと思います。

AJRと言えば、"World's smallest violin" とか、"Bang" などのリズミカルでちょっとコミカルな曲調の歌が有名ですが、最近は "The Good Part" なんかの曲にも見られるように、ただのハッピーソングではなくて、内省的な雰囲気が曲に現れるようになってきて、そういう意味では面白くなってきたな〜と思っていたところでした。
そのタイミングで出てきた、この "Maybe Man" ですが、少し歌詞を引用してみたいと思います。

Wish I was a stone, so I couldn't feel
You'd yell in my face, it'd be no big deal
But I'd miss the way we make up and smile
Don't want to be stone, I changed my mind

自分が石だったらいいのに。そしたら、何も感じることもない
面と向かって、怒鳴られてもへっちゃらさ
でも君と仲直りしてにっこり笑えなくなっちゃうのかな
石にはなりたくない。気が変わったよ

こんな感じで、自分が「〜だったなら良いのに」という歌詞が続いていく中で、最終的に自分がなりたいものが何なのかが分かりかけてきます。

この曲の圧巻は、"One, Two, Pandemonium!" で始まるエンディングで、MVを見終わってみると、何か一つの映画を見終わったような充実感があります。
曲の中では、ホーンやピアノ、オーケストラも使っていて、なんだか「アビーロード」の辺りのビートルズを彷彿とさせるほどです。
「自己同一性」という深いテーマを寓話的に表現しているあたりに、AJRの良い意味での大衆性が前面に出ていて、それでいて、非常に内面的で、エモーショナルなアプローチを始めているところにAJRの今後の展開を予感させる、素晴らしい楽曲です。ぜひ聞いてみて下さい。

AJR "Maybe Man" → https://www.youtube.com/watch?v=OU24A9C8BUk


件名: Bill Withers / Live at Carnegie Hall
日時: 2023/10/31-10:04

1972年の10月にビル・ウィザースはNYのカーネギーホールでライブを行っています。そしてそのライブの様子をライブアルバムにして、残しております。
最後の曲で、ビルは観客にも一緒に歌うようにと促しているのが "Shake'em on down" という曲です。
この曲は1930年代にヒットとなった、Bukka White の"Shake'em on down" からインスパイアされたオリジナルのようです。ですので、歌詞はの多くの部分は Bukka White の物と同じです。
ビル・ウィザースのバージョンの歌詞は以下のようになります。

A little red light
(Shake'em on down)
A little green light
(Shake'em on down)
A little red light
(Shake'em on down)
Must I holl'a
Must I shake'em on down

さて、今日はその "Shake'em on down" のライブバージョンを下のURLに挙げておくのですが、少し聞いてもらいたい箇所があります。
4:22 のところで、ビルが観客に語りかけます。

Hold it, ya'll. Hold it!
Now we've realized this is NY and you're sophisticated but
it's not "Must I holler." This is a show of "Shake'em on down"and is "Must I holl'a, Must I shake'em on down."
Come on, ya'll.

皆さん、ちょっととめて!
今気づいたんだけど、ここはNYだから、皆さん洗練された方々なんだけど、
これは「マスト アイ ハラル」じゃないんだ。
これは "shake'em on down" を皆で歌うやつだから、「マッサィハラ」「マッサシェイケモンダウン」で歌ってください。
さあ、行きますよ!

ビル・ウィザースは "Must / I / holler" と綺麗に区切った美しい英語で歌ってはダメだと言って、"Must I holl'a" とリエゾンでくっつけて、スラングっぽい発音にしてくださいと観客に促します。ここの掛け合いがなんとも味がある。
是非 YouTube で、ここの部分聞いてみて下さい!

Bill Withers "Shake'em on down / Red light Green light" → https://www.youtube.com/watch?v=Uf2dsrFhWmw


件名: Asteroid City
日時: 2023/09/04-09:34

先日ウェス・アンダーソン監督の新作「アステロイドシティ」を映画館で見てきました。
話の概要としては、アメリカ南部の小さな街、アステロイドシティで、ジュニア宇宙科学賞の授賞式が行われることになり、科学好きな子どもたちとその保護者が次々とやって来て.......という始まりです。
ウェス・アンダーソン映画にはありがちなのですが、物語の展開はそれほど大事ではなく、一つ一つの場面の中で、登場人物が何を感じ、どういう会話をするかの積み重ねが映画の全体像を大きく作っていくという感じです。

今回私が気になった場面は、科学少年の中で、クリフォードという少年がいるのですが、この少年は常に誰かに難題を挑みます。例えば、「非常ベルを鳴らせるか」とか「屋根から飛び降りることができるか」とか「砂漠のなかのサボテンに登れるか」などです。それを見かねた保護者のひとり、J.J.Kellogg がクリフォードにこう尋ねます。

J.J.Kellogg: What's the cause? What's the meaning? Why do you always have to dare something?
Clifford: I don't know. Maybe it's because I'm afraid, otherwise, nobody'll notice my existence in the universe.

ケロッグ:(誰かに常に何かを挑む)理由はなんだ。なんの意味があるんだ。なぜお前はいつも何かに挑んでいるんだ?
クリフォード:わからない。多分怖いんだと思う。挑んでいないと宇宙で誰も僕の存在に気付いてくれないんじゃないかって。

こういう小さなシーンがいくつも重なって、登場人物が日頃から悩んでいることなどが浮き彫りになっていくのと同時に、それぞれのキャラクターも鮮明になっていきます。
私は自分を投影できるようなキャラクターは今回は見つけられなかったけど、今回の「アステロイドシティ」は、それぞれの心の動きを、今までのウェス・アンダーソンの映画の中で一番丁寧に描いていたのではないかと感じました。
ご興味のある方は是非映画館でご覧ください!

Asteroid City Trailer: → https://www.youtube.com/watch?v=9FXCSXuGTF4


件名: Stevie Wonder
日時: 2023/08/18-10:52

今年の夏はスティービーワンダーの沼にどっぷりのわたくしです。
特にスティービーの3部作と呼ばれるアルバムの内、"Innervisions" と "Talking book" をえんえんとリピートしています。
とにかく楽曲の配曲が素晴らしく、R&Bあり、ファンクあり、バラードありとスティービーには全く死角というものがありません。メロウなバラードでうっとりとしているとすぐ直後にファンクがやってきて、体が自然に縦に動くという感じで、とうてい気を抜けない(笑)

と、言うことで、今日はスティービーの名言を一つ引用してみたいと思います。
スティービーが盲目なのは皆さんご存じだと思いますが、彼はそれに関して、このようなことを言ってます。

"Just because a man lacks the use of his eyes doesn't mean he lacks vision."

(両目の機能が失われているからと言って、その人に色んなことが見えていないという訳ではない)

この "vison" という単語には「視力」という意味だけではなく、抽象的な意味としての「深い洞察力」などの意味もあります。

スティービーが盲目であるという事実は、彼の音楽が天才的であるという事実と何らかの関わりがあるのでしょうか。
関わりがないと言ったら、それはあまりにも世界観が単純すぎるようにも思われるし、関わりがあると言ったら、それはそれで示唆的すぎるようにも思われるのです。
さて、皆さんはどう思われますか?

Stevie Wonder "Living for the city" → https://www.youtube.com/watch?v=ghLWjyOOLno


件名: Ebony Eyes
日時: 2023/07/09-15:33

スティービー・ワンダーの名盤 "Songs in the key of life" の中の "Ebony Eyes" という曲が最近のお気に入りです。
この曲を聞くと必ず思い出す曲があって、それがビートルズの "Maxwell's silver hammer" という曲です。
二つの曲には大きな共通点というほどのものはなくて、強いて言うならコードの1-6-4-5進行ぐらいしかないのですが、どちらの曲もテンポが良くて、リズム感が軽やかです。

今さらながら思うのですが、「右のビートルズ、左のスティービーワンダー」と言えるぐらいスティービーワンダーはすごい存在だなと言うことです。
今までは、ブラックコンテンポラリーを代表するアーティストぐらいの認識しかありませんでしたが、時系列的にみると、スティービーはキャリアの最初はソウル、ファンク、R&Bがメインでしたが、70年代、80年代以降は徐々に大衆化してポップキングになっていった。私はそのポップ化した頃のスティービーしか知りませんでしたが、スティービーがキャリアを始めた60年代、70年代前半の頃は才能が爆発しています。
とにかく彼の楽曲には名曲が多くて、たとえスティービーのファンでなくても、CMや映画音楽など、どこかで彼の曲を耳にしたことのある人は相当多いはず。そういう意味でも、ビートルズに匹敵するのはスティービーぐらいだなーと思うのです。
洋楽に目覚めて30年以上経って、ようやくスティービーのすごさに気付くなんて、私もまだまだだな〜と思う一方、この凄まじい才能をこれからじっくりと時間をかけて堪能できると思うとワクワクがとまりません!

Stevie Wonder "Ebony Eyes" → https://www.youtube.com/watch?v=PSDIX5GIicE

The Beatles "Maxwell's Silver Hammer" → https://www.youtube.com/watch?v=mJag19WoAe0


件名: オバケのロックバンド。
日時: 2023/06/08-10:54

皆さん、もう聞かれましたか?スピッツの17枚目の最新アルバム「ひみつスタジオ」です。
本当に捨て曲なしの素晴らしいアルバムですが、やはり私は6曲目の「オバケのロックバンド」にめっさ反応してしまいました。
アちゃんも、田村さんも、三輪さんも、なんだぁ〜みんな歌うまいんじゃないか〜と感心するやら、驚くやら.......
聞くところによると、この曲はマサムネさんが、他のメンバーに提案して、「俺たちもSMAPみたいに全員で歌おうよ」みたいに言ったとか、言わなかったとか。
初めて聞いた時、不覚にも、感動のあまり涙がでてまいりました。

「少しでも微笑みこぼれたら
そのしずくで俺生きていける
毒も癒しも 真心込めて
君に聴かせるためだけに」
↑そしてこのマサムネ節の相変わらずの破壊力よ!

今回のアルバムは、曲のバリエーションの広さや、バランスの良い配曲順が際立っているので、2000年代の「三日月ロック」や「スーベニア」なんかを彷彿とさせるアルバムじゃないかな〜という感想を持ちました。
是非、「オバケのロックバンド」聞いてみて下さい!


件名: It's Only Love
日時: 2023/05/29-17:52

ティナ・ターナーが5月24日に亡くなったと聞いて、懐かしい曲を思い出しました。1984年にリリースされたブライアン・アダムスの大ヒットアルバム「レックレス」からのシングルカット曲 "It's only love" です。
この曲はブライアン・アダムスとティナ・ターナーのガチンコのデュエット曲で、ビルボードで最高位15位にまでなった曲です。
当時私はブライアン・アダムスの大ファンで、全アルバムを毎月の少ない小遣いでせっせと集めてる中学生でした。そんな時代の私に "It's only love" (「それは単なる愛に過ぎない」)と言われても、その当時の私には大人の恋愛を描いた歌詞の世界観はピンときませんでした。

今回ウン十年ぶりに「レックレス」を聞き直してみて(それもカセットテープ)、英語の歌詞カードを読み直してみると、今度は当時のブライアン・アダムスの歌詞の青臭さに驚かされました。(曲のほとんどが恋愛の歌か、月曜日は仕事に行きたくない〜みたいな歌)

その歌詞を読んで、ひとつ英語っぽい内容を書いてみると、7曲目の "Kids Wanna Rock" という曲の中で、"I couldn't find no rock' n roll" という歌詞があります。多分、当時の自分はこの歌詞の内容をちゃんと理解していなかったと思います。
この "I couldn't find no rock' n roll" は二重否定のように見えますが、実はそうではなくて、"I couldn't find any rock' n roll" と同じ意味になります。
こういう英文はよく見かけるんですが、例えば
"I don't know nothing."
なんかも同じような例になります。(これは直訳すると「私は何も知らないわけじゃない」になりますが、実際の意味は「私は何も知らない」という意味になり、否定語の打ち消しは一回分しか使いません。)
この二重否定なのに、否定語同士が打ち消さず、一重否定になる場合って、どちらかと言えば口語に多いような気がします。ですので、こういう英文は公式な文章では書かない方がいいと思います。

と言うことで、まとまりのない文章になりましたが、当時のほとんど英語を知らない中学生でも、ウン十年勉強し続ければ、二重否定の口語的使い方までマスターできるようになるというお話でした。

"Bryan Adams and Tina Turner-It's Only Love" →https://www.youtube.com/watch?v=_6igcfvq2BQ


件名: A cat
日時: 2023/02/23-19:11

遅まきながら、昨日2月22日は猫の日でしたね。
それとは直接関係ないですが、ビル・ウィザースの名盤 "Live at Carnegie Hall" の6曲目 "Let me in your life" の冒頭で、ビル・ウィザースはこのように観客に話しかけます。

A lot of cats get up at an age around in their early thirties
and they start to think of like, lifetime companionship.
And that’s when they start to meet ladies
who are not too prone to trust anybody.

この中で、"A lot of cats" と言っているのですが、これはどう考えても「猫」の意味じゃないよな.....と最初悩みました。
それで色々調べると、この "cat" は矢張り「猫」という意味ではなく、「男、やつ」という意味だと分かりました。
「エイゴッテムズカシイデスネ!」

それでは、先ほどの英語を訳してみると、

「多くの男たちは30代前半になると目覚めて、人生を共にする相手を探し始めようと考える。
そして、彼らは色んな女性との出会いを求めるのだが、女性たちの方はと言えば、
男というものは信用できないと考えているのである」

「男」という単語はもちろん "man" で大丈夫なのですが、その他にも "bloke" とか今回の "cat" なんかもあります。探せばもっとありそうですね。

ビル・ウィザースの貴重な生声でのトークを是非聞いてみて下さい。

Bill Withers "Let me in your life" → https://www.youtube.com/watch?v=-yjenyrm-Wo


件名: オージーポップに夢中!
日時: 2023/02/03-14:08

オーストラリア発のバンドと言えば、インエクセス位しか知らない80年代な私ですが、最近色々とオーストラリアのロックバンドの音楽を聞くようになりました。と言っても、今日おススメするバンドはどれも2000年代前半に登場したバンドばかりで、かなり古い部類になりますが、どの曲もゴキゲン(笑)なものばかりです。

その@ Jet "Are you gonna be my girl?"→https://www.youtube.com/watch?v=tuK6n2Lkza0
この曲は2003年にリリースされて、その後iPodのCMに採用された後、大ヒットになったようです。
実は私はこんなに有名な曲を昨年まで知りませんでした。何で知ったかというと、昨年の春、教室での体験レッスンを受けて下さったロック好きな方から教えていただきました。

そのA The Vines "Ride" →https://www.youtube.com/watch?v=KL_dI3GtB4o
The Vines のボーカル、クレイグ・ニコルズはビートルズの影響を受けているということですが、この曲に関しては、かなりブラーっぽいという印象を受けます。それとどのミュ―ジックビデオを見ても、クレイグ・ニコルズが常に変顔をしているのが奇妙。

そのB Wolfmother "Dimension" →https://www.youtube.com/watch?v=bjJ7KCBykVU
ウルフマザーは上記二つのバンドとは違って、グランジ、オルタナティブの影響を全く受けていない正統派のハードロックおよびヘビーメタルです。かなり70年代っぽい重たい音ですね。

実は、The Vines と Wolfmother の存在を知ったのは、2006年公開の「恋愛ルーキーズ」という映画のサントラからでした。この映画、もちろん内容も最高ですが、サントラもかなり凝っていて、ビル・ウィザースの "Lovely Day" も冒頭のシーンでかなり効果的に使われていて、音楽担当の人の守備範囲の広さが窺われます。もし映画を見る機会があれば、是非バックグラウンドミュージックにも注意して見てみてください。


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